2009年度秋・北陸遠征 〜雷鳥撮影記〜

 遠征に行く時、オレには2つのパターンみたいなものがある。
 1つは北陸遠征に限るが、最終日に金沢駅前のホテルのレストランでちょっと奮発して夕飯にすること。まぁコンビニ主体な訳ですから最終日くらい。
 もう1つは全ての遠征に当てはまる、そう、列車の遅れだ。遠征に行くと何かしら列車が遅れる。単に遠征回数と遅延回数で算出したところ、これまでの遠征の72.4%でなんかしら起こっているのだ。先月の北陸遠征に至っては、鉄道使ってないのに高速バスが遅れる始末……。こりゃ何か憑いてるかもな、オレ……。
 しかし、今回の旅行で列車に乗るのは、上野〜金沢の北陸往復と、金沢〜加賀温泉雷鳥8号・33号、この4本のみ(家から上野まではカウントされない)。流石にこれなら、遅れが出る可能性は低いだろう。


【9月13日】
 もう慣れ親しんだ金沢の地に降り立つ。やはり遅れはないようだ。これから雷鳥加賀温泉まで行き、レンタカーはそこで借りる。北陸フリー切符を有効活用するためだ。
 適当に能登をスナップし、雷鳥が来るまで419の普電で休み、雷鳥8号が入線。最近組みかえられたA04編成だ。この編成、車内チャイムが未だにオルゴールのままだが、他にもあるのだろうか? とりあえず雷鳥は快適の一言。おにぎりを口に運びながら車窓を眺めていると、あっという間に加賀温泉に到着した。

 さて、事前に天気予報を見たところ、この日の金沢,福井の天気は曇りのち晴れ。なのに外はどうだろう。……豪雨じゃねーかよっ!? 土砂降り状態。そして傘は持ってきていない。どうする? レンタカー屋まで走るか………その前に、オレ三脚どうしたっけ!?

 気付いてしまった。さっきまで持っていた三脚が見当たらないことに。
 ……置いてきてしまった。雷鳥にではない。金沢の419普電の中に!

 幸いその普電は大聖寺行きなので、待ってればここ加賀温泉にやって来る。しかしとりあえず……とりあえず駅員に相談。 

 「今の雷鳥に乗ってきたんですけど、ここに8時2分に着く大聖寺行きの電車に忘れ物してしまって……」

 明らかにおかしい発言に、駅員に“はっ!?”って顔をされる。無理もない(苦笑)
 事情を説明し、列車に連絡入れてもらうことに。その後、車掌が保管しておいてくれたらしく、超笑顔で三脚を渡された。


 さて、ようやく車のスタート。まずは武生〜鯖江のインカーブへ。数少ない下り順光の場所である。……しかし、豪雨。撮影地に着いた時には止んだものの、分厚い雲が残り、そのまま4005Mの時刻に……。


4005M 雷鳥5号  485系A06編成
インカーブは感覚を掴まないとカツくなります。

 振り向いて419を撮影。


 とここで太陽復活! 順光の中、普電が駆け抜ける。


 しらさぎも順光、あと数分で4009Mが通過する。
 雷鳥のローテは問題なく流れており、間もなくやって来る4009Mは、A9が充当される。時間的にバリ順のスジ! やっと順光で撮影できる!



4009M 雷鳥9号  485系A09編成
 通過2分前にピンポイントで湧く雲はいったい何なんだろうか。


4013M 雷鳥13号  485系A08編成
 続く13号はA08編成。晴れたのだが、もう前面が影ってくる。


4017M 雷鳥17号  485系A10編成
 ここでの締めはA10。


 10月の改正で、雷鳥は全てパノラマ編成になるため、この狭窓クロは消えてしまうのだろう。


 武生のショッピングモールで昼食を買い、牛ノ谷へ直行。結構ギリギリで、着いたのは4030M通過5分前。撮影はしたものの、側面当たらず前面飛び気味なので非掲載。昼食を食べながら待つこと50分、4060レが通過。


4060レ  EF81-76+コキ

 続く4034M、影落ちて終了。先月もそんな気が……。

 この時期の締めは4038M。目立つ雲はないし、エロ光期待!

 が、雷鳥通過時刻に近付くにつれて湧き始める雲。そして雷鳥通過時刻、太陽は完璧に雲に遮られたのだった……。

 しかし! 雷鳥はまだ現れない。少しずつ抜ける雲。そして太陽が顔を出した時、山間に485の警笛がこだまする。来たっ!


4038M 雷鳥38号  485系A08編成
 何とか晴れ写真をゲット! あたりに目立つ雲が無かったため、半分カケで4042Mまで待機! だんだんと地がオレンジを得て行き……


 雷鳥通過1分前、太陽は沈んでしまった。

4042M 雷鳥42号  485系A02編成


 この後、4048Mの運用に就くA10クロをバルブするため、金沢へ直行する。

 撮影者は自分ひとり。
 この日は“金沢ゆめのゆ”という温泉施設で夜を明かす。2100円で温泉入り放題、仮眠ベットも使えます。




【9月14日】
 午前4時半起床。
 朝風呂に浸かり、身支度整えて出発。外は異様に寒かった。看板によると、只今の気温13℃だとか。さすが北陸、初秋なのにこの寒さとは……。
 バックミラーにピンク色に染まる朝焼けの空を眺めながら、北陸道を福井へ向かう。目的地はそう、福井〜森田の鉄橋だ。天気も良好、期待が高まる。


4004M 雷鳥4号  485系A03編成
 まずは雷鳥4号。う〜ん、パノ代走か。背景が曇ってる&靄のせいで微妙なことに。


????レ  EF81-126+コキ
 列番は分からないが、レッドサンダー代走で81登場。


4002レ  EF81-106+24系
 日本海は最高だった。順光にローピン……、美味しい組み合わせだ。


4008M 雷鳥8号  485系A01編成
 ここはアングルの自由度が高い。


4012M 雷鳥12号  485系A09編成
 やっとノーマル顔の登場。


4016M 雷鳥16号  485系A04編成
 ラストは作のギリギリから。


 この後は武生〜鯖江で4009MのA08を撮影。昨日と同じなので写真は省略。4017Mまでいる予定が、まさかのスズメバチ登場により断念。まぁ面潰れるからいいか……。というわけで、武生のショッピングモールの駐車場でしばし仮眠……。


 車の中で昼食を済ませ、一般道で南今庄へ


4034M 雷鳥34号  485系A08編成
 通過直前に若干光線が弱くなるという嫌がらせ。だが、微かに青空が見える。そして4033MはA09……。カケに出た。4038Mは捨て、ダンロップへ直行! 4038MはA10からA02に差し替えられてしまったため、33号を狙ったほうが絶対に良い。



 ドン曇り。終了。
 この日は“加賀ゆめのゆ”で夜を明かした。



【9月15日】
 雨っ!
 やる気をなくし、しかし撮影することは変わらず、とりあえず細呂木へ。

 4004Mは露出無くて微妙なことに。

4004M 雷鳥4号  485系A09編成

 続く日本海は完全に失敗。前走りの貨物はレッドサンダーなのでスルー。4008Mは……あれ? オレ4008Mどうしたっけ!? 写真が……無い!? あれ? 撮らなかったっけ?? 冗談抜きで記憶が無い。何故? 4012Mは露出落ちて失敗した。


4016M 雷鳥16号  485系A01編成
 こいつは細呂木駅の跨線橋から。


 今度は下りのターンだ。

4005M 雷鳥5号  485系A03編成
 これA04のはずが差し替えられて……。


4009M 雷鳥9号  485系A02編成
 今回の遠征で簡易貫通を初撮影。


4013M 雷鳥13号  485系A10編成
 おっ! ってことは38号はA10だ。


 ふと、貨物があるのを思い出す。先月はレッドサンダーだったが、もしかしたら81代走かもしれないし……。


????レ  EF81-123+コキ
 予想的中!



4017M 雷鳥17号  485系A09編成
 本命はこれ。曇りだからこそ、ここで撮影できた。



 この後コンビニへ行って、時間を勘違いして4030Mを逃す……。

 4034M……の前の4060レ。

4060レ  EF81-27+コキ


 そして4034M。

4034M 雷鳥34号  485系A02編成

 被り回避のため早切りに……。


 西の空が晴れている。4038MはA10……。オレの体は牛ノ谷へ向かっていた。


4038M 雷鳥38号  485系A10編成
 曇ったけど、同業者ゼロだったけど、個人的に気に入った1枚です。


 さて、雷鳥区間撮りは終了。バルブとかどうしよう……と考えていると、今頃太陽降臨。いつもそうだ。
 そして撤収後に現れる急行色。

362M



 この後、レンタカーを返却、雷鳥33号で金沢へ。ちょこっとバルブして、恒例のレストランへ。



 そして北陸に乗車。今度はソロである。
 寛ぐ時間を多く取りたいがために、発車直後からシャワー室へ。頭を洗っていると、津幡停車時、やけに大きい振動が生まれた。やれやれと思った矢崎、次の放送。
『お客様にご案内いたします。ただいま1号車におきまして、火災報知機が数度作動したため、現在確認と点検を行っております。発車までしばらくお待ちください。』

や っ ぱ り 何 か 起 こ っ た !

 検査員が駆けつけ、床下機器をチェック。走行に支障が無いことが確認されたため、検査員添乗の上、北陸は65分遅れで出発したのであった。



【9月16日】
 上野には45分遅れで到着。北陸遠征は幕を閉じた。この後京成甲種を撮る予定だったものの、雷鳥を撮った後では撮影意欲も湧かず、普通に帰宅した。

 今回は初の1人長期間遠征。自由で良いけど、やはり寂しい。あぁ、大学に自分とつり合う鉄道好きな人(雷鳥好き的な意味で)がいればなぁ。



 各撮影地でお会いした皆さま、どうもお疲れさまでした。