考察、Facebook就活

先日、こんなニュースを見た。
Facebookを就活に活用する」
出社前の朝の忙しい時間帯だというのに、そのニュースに耳を傾ける。
なにやら企業側は、説明会や面接に参加した学生のFacebookを見て、その学生の本来の姿を調べると言うもの。
例えば、面接の時は大人しい印象だった学生が、実は学生同士の就活練習会の幹事をやっていた――など。
また、友人? ふぉろわー? の人数が多い学生は、それだけ繋がりがある、コミュニケーション力がある、といったものだった。プロフィール写真が自画像かどうかも割と重要らしい。

なるほど、確かに面接は緊張するから、学生の真の一面を見れるFacebookは良いかもしれない。どれだけの人と繋がっているかも見れるし、ふぉろわー? がどんな人かを見ることで、その学生の交友関係を知ることもできる。

時代は進んだものだ。
最近では、就活に有利なFacebookを作る講義が開催されるなど、就活の新しいツールとして注目されているようである。


……でも、私は正直、これはどうかと思います。
別に否定している訳ではありません。FacebookとかツイッターとかスマホとかiPodとかに全く興味を示さない、1人の22歳の社会人の戯言だと思って下さい。


正直言うと、これって“監視”されているように思えます。
特に、就活なんて意識に無い頃からFacebookを使っている人にとっては致命的なんじゃないでしょうか?
全ての書き込みを、会社側に見られる前提で書いていますか? ってことです。他人への愚痴や文句、自分の犯罪を仄めかすようなもの(ツイッターに未成年飲酒とか置き引きとかありましたね)など。そんなことに神経使ってまで利用しようとは、私はとうてい思えないんです。


それと、先述の就活有利なFacebook講義。ニュースではその一面が紹介されていて、次のようなことが言われていました。
・プロフィール写真は笑顔の自画像にしよう
・まずは友人? を50人登録しよう
・週に何回かは前向きなことを書こう

はい。確かにこれらを実行すれば、企業に良い印象を持たれるでしょう。

でもちょっと待って!
これって……Facebook就活の本質から外れていませんか?
特に友人を50人登録するってところ。本当はそんな柄じゃない学生が、その方がいいと言われてそれ(登録)を行う。

……偽ってますよね、自分を。

週に何回か前向き発言をするというのもまた然り。言われていやっているだけで、その学生の素顔なんて、全くもって見えてこない訳です。
偽りの自分を企業の人事が気に言って、入社に辿りつけた――。果たして、その学生と企業がマッチしていると思いますか?


現在、日本のFacebookアクティブユーザーは、月間1千万人と言われています。もちろんこれには、高校生や大学生が多く含まれている訳で、彼らが今後、企業に自分を良く見せようと、自分を偽ってFacebookを利用したなら、入社後のミスマッチが多発しそうでなりません。

私の代――2012年度入社の学生の内定率は、文部科学省の資料によると、80.5%だそうです。また、新卒の約半数が、入社後3年までに退社してしまうというニュースも話題になりました。これらから、学生の約40%が、自分の選んだ道から退いてしまっていることになります。しかもこの数字(内定率)、調査対象人員が約12000人。学生全体で考えたら、いったい何%が、3年以上新卒で入った会社で働いているのでしょうか。

偽った自分での入社が増え、企業とのミスマッチが増えてしまえば、このパーセンテージは更に上がってしまうように感じます。


自画像の登録と言うのも、少々首をかしげます。Facebookは基本実名登録。加えて自画像。……プライバシー、心配じゃないですか?
少し前、AKBの誰かがツイッターの写真が流出して、結果的に辞めちゃいましたよね?
もし万が一、良からぬ人間が、実名と顔写真を載せたデマ情報をネット上に流したら……。収束させることはほぼ不可能ですよね。


Facebookは確かに楽しいかもしれませんし、同じ趣味を持った人と交流が出来ますし、いつでも友人と繋がっていられます。勿論それは良いことです。
でも……、その楽しみって、“実名登録に伴うリスク”と天秤にかけられるものなのでしょうか。

Facebook就活に関して言えば、“偽りの自分でいること”、“企業とのミスマッチが起こりうること”、“実名と自画像の公開”をしてまで、することなのでしょうか。


私は新しいものに関心を寄せないアナログ的な人間なので、本当の面白さは分かりません。なのでどうしても、こうした否定的な考えがよぎってしまう訳です。

もしFacebookを就活利用に考えている方がこの記事をお読みでしたら、本当にそれで自分がいいのか、ほんの少しで良いので、考えてみて下さい。止めてる訳ではありませんよ。少しだけ、考えてみてほしいんです。



最後に少しだけ、先輩面して就活のアドバイスさせて下さい(笑)
私は2010年10月から就活を始め、2011年10月13日に、いま働いている企業に営業職で内定を頂きました。まぁ……就活に1年かけている訳です。決して自慢できるような就活はしていません。

まず、企業研究は重要です。特に、ライバルメーカーと業界のニュース。私は面接がめっさ苦手ですが、この2つは完璧にしておきました。
次に、基礎学力。筆記試験・SPI対策です。これはまぁ、市販の対策本でどうにかなります。

それと、諦めないこと。
私は50社以上説明会に参加したものの、2010年6月頃まで、面接に通ったことはありませんでした。友人たちは内定を取り出すし、焦ります。卒業研究に現実逃避したくらいです(おかげで卒論は最高評価もらいました)。8月なんて23日間大学行きました。
そうして卒論に打ち込んでいると、就活出来る企業数が減ってしまいます。しかしそれによって、受けるべき企業を厳選できました。1社の企業研究にかけられる時間も増えました。
するとどうでしょう。面接に通るようになったのです。最初は1次面接を通過し、2次で落ちていましたが、稀に2次面接も通るようになりました。
9月中旬。最後の持ち駒である、いま働いている会社の説明会兼筆記試験を受けました。通りました。
9月下旬。とある企業の最終面接を受けました。落ちました。
数日後。いまの会社の論文試験がありました。A4白紙1枚渡されて、ちょっとした筆記試験と併せて1時間の内容でした。特に字数制限はありませんでしたが……白紙かよって。気合いで全部埋めてやりました。受かりました。
2回の面接を経て、10月13日、内定を頂きました。
最終面接で“適性検査を見ると、君は営業向きじゃないんだよね”とか言われました(笑) いや、今さらそんなこと……。それでも挑戦する、みたいなこと言った記憶がありますが、適性が無くても私に内定をくれた理由は、企業研究とSPI対策、それに、論文を埋めてやったことだと思っています。諦めずに完璧にした――。

最後に、就活は楽しむべきです。
常にカメラを鞄に入れて、就活先の風景を撮っていました。桜と建設中のスカイツリーとか、名古屋のテレビ塔とか。
極めつけは、旅行兼説明会。会場がどこも満席で、唯一空いていたのが金沢会場(石川県)。私は神奈川在住。こりゃあ行くしかないと、5泊6日(うち1泊は高速バス、3泊は健康ランド)で行ってきました(結果GDで落ちましたけど)。この旅行のために別企業の筆記試験の日程を調整して貰ったなんて絶対に言えません。
隣に座った人やGDで一緒になった人と話すのも割と楽しみでしたし、いかに駅から歩かずに会場まで行くか(=路線バスを探す)にも拘りました。

頭にくることもありましたよ。
開始時間ギリギリに来た学生とGDが一緒になって、書記などの役職を勝手に決められた上、その学生が一番目立っていたり。
遅刻厳守と書いておきながら、開始時刻20分も遅れて(最初の回なので遅れる理由が分からない)謝罪なしのグループ面接。
明らかに学歴だけしか見ていない説明会。
仕事紹介の社員に入社1年目の方が出てきて、アンタじゃ会社のこと分からないでしょ的な文句を言ってた学生がいたり。

そんなことがあっても、真剣に、でも適度に楽しんで就活するのが、一番良いと思います。決して無理はしないで。無理すると私みたいに、志望度が高かった企業の筆記試験2日前にインフルエンザにかかったりしますよ(笑)


長くなりましたが、みなさんの就活成功を、心よりお祈りしています(^O^)/
最後までありがとうございました。