2009年度冬・北陸遠征3 〜雷鳥撮影記〜

 北陸がなくなる。
 遠征時にいつもお世話になっていた夜行列車の廃止に、思わず落胆の声を上げてしまった。北陸と言えば、上野と金沢を結ぶ短距離ブルートレインで、編成の半分が個室、シャワー付きという、ブルトレ末期としては魅力的な編成を組んでいた。北陸フリー切符でも利用でき、手軽にブルトレの旅を味わえることができたのに、新幹線の開業を待たずに廃止されるとは……。姉妹列車の能登も臨時化されてしまい、これからは平日に北陸方面へ遠征に行くには、高速バスを使うしかなさそうだ。

 2月12日朝、所用ついでにみどりの窓口へ向かった。目的は勿論、最終北陸の予約である。夕刻、確認に行ってみたが、結果はやはり×であった。


 北陸,能登の廃止も大ニュースだが、自分の中で、次の改正で最も大きな出来事、それは、雷鳥の大幅衰退である。おそらく、衰退という言葉が最もよく当てはまるだろう。死鳥(683-4000)の大量投入により、雷鳥はとうとう1往復まで縮められる。そして、需要の見直しによる減車である。堂々の9連は通常6連に縮められ、485としての品格を長らく保ってきた列車に、とうとう終盤の時が見え始めてしまった。

 485を記録したい。堂々たる雷鳥を記録したい。そう思うのは当然のことで、前々から計画を練っていた。どこで撮るか、逆光はどう処理するか、編成を目立たせる場所はどこか、風景と絡められるか、など。
 しかし、北陸に行くとなると、北陸乗車は外せない。前々回の北陸遠征では、ウヤで乗車できなかったため、これは絶対だ。ただ、切符を取るのは至難の技だろう。最終日の北陸のチケットが、オークションで10万のご時世だ(違) まぁ、最悪乗らなくてもいいだろう。天気を優先した方が良い。それからというもの、天気予報を念入りにチェックするようになった。



 冬の北陸は、晴れたら奇跡と思えるくらい、天気が悪い。前々回の遠征では奇跡的に晴れてくれたが、2回は続かないだろう。そう思いながらも2月20日。どうも21日から24日まで晴れそうである。これは行く価値ありだ。早速みどりの窓口へ切符の手配に出かけた。
 さて、切符をキャンセルする際、3日前だか2日前だかにキャンセルすれば、手数料がそれほどかからないと耳にしたことがある。20日は、23日の3日前。……これは賭けだ。みどりの窓口前で、携帯から空席照会ページを開き、23日の北陸を見てみる。結果はやはり×。諦めない。だいたい3分おきに、“再度読み込み”を行い、ひたすら表示が△になるのを待つ。3回……6回……9回……何回やったかは忘れたが、あるとき現れた、△の表示! 即窓口に向かい、こう告げた。
「23日に金沢から上野まで、北陸のB寝台お願いします」
 なんとかゲットできた。粘った甲斐があった。微かな喜びを胸にしまい、明朝の出発に向けて急いでバスで帰宅、準備や調整に取り掛かりました。



 2月21日、午前5時20分。
 カーテンをめくっても、空は夜の色のままだった。朝食をとり、余裕をもって出発。まずは東京を目指します。
 東京から乗るのは、MAXとき303号。はくたか2号の接続電だ。前々回は1本前の新幹線に乗ったが、今回ははくたかの指定が取れたため、朝がゆっくりのこちらに乗車することに。指定席は満席とのこと。荷物が多い時、満席の指定席は苦労するので、指定を取らなくて正解だった。MAXは迷わず1階に乗車。ご存じ2階席は椅子がリクライニングしないことに加え、窮屈な3+3席のためだ。にも関わらず、スノボーを持った皆さんは景色を求めて階段を上がっていく。お陰さまでガラガラの1階席でのんびり過ごせました。

 越後湯沢ではくたかに乗り換え、一気に金沢を目指します。前々回は満員御礼だった同列車だが、今日はガラガラだった。若干疑問を覚えたが、あの時は前日のはくたかが全滅したことを思い出し、一人で納得した。
 粉雪舞う白銀の世界を走り抜け、ものの2時間半で金沢に到着……となるのだが、金沢駅はくたかが入線するホームで急病人が発生したとのことで、駅手前でしばらく停止。7分遅れで到着した。普段に比べれば大したことない遅れだが、この7分が大きな痛手となってしまった。

 金沢駅前でレンタカーを借り、いざ出発。車で雷鳥撮影とは、ドライブ好きの自分にはたまらないことだ。今回はいつも借りる車種が出払っていたため、違う車種を初めて運転することに。まぁ普段でかいオデッセイに乗っているので、車両感覚は余裕。あとは加減速の具合だが、なるほど、ブレーキの遊びが大きいのか。これはこれで運転し易い。
 金沢バイパスは、日曜だからか、気持ち混んでいた。まず向かったのは、加賀笠間〜美川のアウトカーブ。天気は快晴だ。面が潰れてしまうが、ここ一帯で9号〜17号を撮影する……が、陸橋を渡っていると、見事に9号とオーバークロス! もともと間に合うかどうか微妙だったのに加え、はくたかの7分延の影響が出てしまった……。まぁいいか。
 気を取り直して上り列車をしばらく撮影。北陸本線普通列車は塗装変更が行われるので、走っている国鉄型車両全てが撮影対象だ。相変わらず雲ひとつない良い天気だが、少々風が強く、手が悴んでくる。そんな泣きごとのような理由から、81貨物を遅切りしてしまう。バリ順だったのに畜生。時間が近づいてきたので、少し移動して4013M。先客の方の後ろから……。

△ 485系A02編成 4013M  加賀笠間〜美川

 やはり面の潰れが気になる……。17号は陸橋上から。

△ 485系A05編成 4017M  加賀笠間〜美川


 この後は4034Mと4038M、それに4060レを撮影するも、良い位置に障害物ができていて、いつもの構図で撮影できず。貨物に至っては510代走のため、写真は非掲載ということで。
 夕焼けはまだ消えようとしない。もしかしたら42号も撮れるかも……? と言うことで、賭けで42号の撮影も決行。1本前の普電は何とかなったものの、やはり17時半を過ぎると厳しいものがありました。写真は失敗。しかし、それより遅くに通過する29号は何とかなったという……。

△ 粟津〜動橋

△ 485系A04編成 7029M 粟津〜動橋

 撮影後は8号線をドライブ感覚で走り、7時頃に金沢ゆめのゆに到着。のんびり風呂に浸かり、前回食べて気に行った鯖寿司を夕食にとり、眠くなるまでテレビを見て、11時半過ぎに就寝……。



 2月22日。ゾロ目の日の午前2時過ぎ。目覚めてしまった。眠れない……。こうなると厄介で、ウトウトしたものの、結局これ以降なぜか眠れず、ようやく眠れそうになった時、携帯のアラームが起床時刻を告げた。
 午前4時20分。もういいや。朝風呂にゆっくり浸かり、顔を洗い、なんとか目覚めさせ、2日目の撮影に挑みました。これから撮るのは4号,8号、それに日本海。天気予報は晴れなので、光線重視で森田の鉄橋へ。まだ暗いうちに金沢を発ち、美川ICから北陸自動車道へ。疎らな車の流れに混ざり、コンビニで買ったパンをかじりながら、ただただ滑走路のように光る道路脇の反射板に沿って走っていく。ふと闇の先を見てみると、もう1つの闇があった。片方は完全な闇、もう片方はうっすら消えかかる闇。夜明けの前兆だ。山影が闇となって見え始めると、空の闇はどんどんと色を薄くし、日の出を待ちわびている。今日も雲は無い。
 福井北ICで下り、走らせること15分。目的地である鉄橋に到着した。まだ太陽は顔を出していない。震えるような寒さの中、動画をセットし、カメラを準備し、雷鳥4号通過の5分前、とうとう太陽が顔を出した。弱々しい光りながらも、ほのかに地をピンク色に照らしている。そしてライトが見えた。

△ 485系A03編成 4004M 森田〜福井

 そのすぐ後を81貨物が通過。もうどれが510でどれが81かは運らしい。

△ 森田〜福井

 そして日本海。この日もローピンでした。

△ 森田〜福井

 419の普電も登場。

△ 森田〜福井

 そしてA10!

△ 485系A10編成 4008M  森田〜福井


 光線を考えると、ここでの撮影はこれまで。次の場所へ移動します。今日はトワ運転日。

△ 芦原温泉〜丸岡

 そしてお目当て、雷鳥16号。

△ 485系A04編成 4016M  芦原温泉〜丸岡


 さて、これから下りのターンですが、こう晴れていると、どこに行っても逆光か側光。ここは雷鳥の9連を目立たせるため、側面重視で行きましょう。まずは牛ノ谷へ。

△ 485系A05編成 4009M 牛ノ谷細呂木

 お次は細呂木近くの集落へ。

△ 485系A01編成 4013M 細呂木芦原温泉

 この付近で上りを順光で撮れることが判明。前日失敗した貨物をリベンジしてやろうと、しばらく待機。ところがいつまでたっても現れず、4017Mの時間が迫ってくる。もう13時。これはおかしい。日曜だって動く貨物が、こんな日にウヤなんて………こいつ日曜翌日ウヤだ!
 完璧に気付くのが遅れてしまい、4017M通過まで残り十数分を残して出発。見れば光線が変わり、海側から撮った方がよさそうだ。だとしたら、さっき見つけたあの場所がいいんだが……間に合うかなぁ。芦原温泉を過ぎ、線路を跨ぐ陸橋でふと福井方を覗いてみると、3つのライトが。来てるっ! 急いで駆け下り、舗装された農道に入り(基幹農道って書いてあった)、数秒間雷鳥から逃げ、道路脇に車を停車させ、窓を開け、カメラを起動して、パシャリ。

△ 485系A03編成 4017M 芦原温泉〜丸岡

 実は陸橋付近で工事があって、列車は70km程度の徐行運転中。もし工事していなかったら、確実に撮り逃していました。突っ込みどころがある写真ですが、とりあえず撮れてよかった……。

 晴れれば、同じ場所でバリ順で夕刻の雷鳥を撮影できます。が、天気予報通り、晴れから次第に雲が広がってゆき、バリ順は望めないと判断。普電を1本撮影し、早めに動地を撤収。途中撮れそうな場所で曇り写真を量産し、金沢駅で普通の入場券を購入(“22.-2.22”が欲しかった)、18時頃に再びゆめのゆに入りました。

△ 芦原温泉〜丸岡


 ひとっ風呂浸かったあとは、待ちに待った夕食。朝昼は100円台のパンだったので、夕食は食べたいものを食べる! 注文したのはチキンカレー。実はここ、本場のインドカレーが味わえるレストランが入っていて、勿論シェフもインド人。深皿に盛られたスパイシーなカレーの横に置かれるのは、ミニサラダと大きなナン。前々回の遠征で、友人が注文したこれをひと口貰ったんですが、それが美味いこと! なので絶対食べようと思っていました。
 ナンというのは、パンの一種で、イーストを使わないのが大きな特徴です(多分)。表面カリッと中はモチモチ。そしてここのナン、なんと言っても特徴は、ほのかに甘いこと。プレーンナンと名付けられているだけに、この甘さがまた格別だ。中辛のチキンカレーは、そのまま食べると、甘党の自分の喉を刺激するが、ナンと一緒に食べると、その甘味が辛味を和らげ、絶妙な味わい深さを生み出してくれるのだ。これは凄い。感動の美味さ! 大袈裟かもしれませんが、それだけ気に入りました。次はキーマカレーを食べてみようかな。

 テレビを見ていると、明日の天気が晴れのち曇りから一転、快晴の予報に。森田の鉄橋に行って、別アングルで雷鳥日本海を撮影、16号はまた場所を移動、と、運用も考慮して、午前はこの日と同一行程で巡ることにし、11時前には就寝しました。



 2月23日。何時頃か分からないが、ふと目覚めてしまった。周りには自分と同じように仮眠ベッドに包まる人が。そして付けたまま眠ってしまったのであろう個人テレビの発する光が、減灯された広い室内の一点を明るく照らしていた。
 ふぅ……。
 夢を見た。昔懐かしい記憶を呼び醒ます、暖かな夢。それが夢であることを残念に思うと同時に、そんな夢を見れたことに感謝する。夢は強く脳に描くことを反映すると言うけれど、多分、オレはどこかで過去を懐かしんでいるのだろう。過去に戻ることを望んでいるのだろう。そりゃあ昔は良かった。国鉄型車両が沢山いたし、嫌いな電車なんてなかった。しかしそんなことはどうでもいい。過去に戻りたいこと即ち、当時に置き去りにしてしまった日常を、忘れてしまった当時の生活を、どこかで後悔しているのだ。分かり切ったことだった。

 ところで、いま何時だろう。8時……3分、か。……いや、そんなはずないよな。まさかね。………8時4分。あぁ……要するにアレですね。寝坊した。まずは頭を落ち着かせよう。朝風呂に浸かり、スジを思い出す。日本海はどう頑張っても無理。4008Mも無理。で4012Mが置き換えられた今、次の雷鳥は4016M、金沢9時10分頃出発。ならばそれを撮ればいい。とりあえず焦りは油断とミスを呼ぶので、のんびりと風呂で温まり、8時半過ぎに出発。目的地は芦原温泉のちょい先っと。ちょっとは急げよオイ。
 一般道は無理なので高速を使おう。乗るまでが少々混んでいて、金沢西ICに入ったのは8時40分過ぎ。間に合うだろうか………いや、間に合う。これは絶対に確信していた。だって、雷鳥と同じ速度で走れば、絶対に抜かれることはない! そういうよく分からん信念を貫き、北陸道を快走。結果、15分くらい前に着けました。めでたしめでたし。

△ 485系A10編成 4016M  芦原温泉〜丸岡

 次の9号はどうするか。ロケハンしてみるも、なかなか良い場所は見つからない。1つ撮れそうな田んぼ脇があったが、農家の方が写ってしまうようなのでここは避け、とりあえず……9連をド側面から撮影してみました。

△ 485系A03編成 4009M  芦原温泉〜丸岡

 思った以上に微妙でした。次の13号はA04。顔も撮りたいところだが、どこに行っても逆光となってしまう。ならば諦めて細呂木S字へ。

△ 485系A04編成 4013M  細呂木芦原温泉

 思った以上に逆光だったので、鬱憤を晴らすために、前日撮れなかった貨物を撮りに例の場所へ。順光のローピンは、白帯入りでも絵になってくれる。何が来るか。久しぶりにヒサシ付きも撮りたいなぁ。そんななかやって来たのは、期待を華麗に裏切った青更新でした。

△ 細呂木芦原温泉

 激しく残念。ただ、窓開けて左腕ぶら〜んしてた運ちゃんが、切り位置直前で窓を閉めてくれたのは有難かった。オレの横を通る辺りで再び腕ぶら〜ん。そしてここは激しく架線柱が傾いていて、とてつもなく撮りにくいです。

 さて、保線員がいる。旗を振っている。通過する列車は警笛を鳴らしている。……ここは動画にしよう! 雷鳥の警笛動画。青空を入れた後追いで。

△ 485系A02編成 4017M  細呂木芦原温泉
 動画は最後の方にリンク貼ります。


 コンビニで昼食を買い、今遠征の締め撮影を。前日は曇って撃沈しただけあって、雲ひとつないこの状況に期待が高ぶる。まずは4060レ。

△ 芦原温泉〜丸岡
 影の処理の仕方を間違えた結果。

 続く4034M。良い光線!

△ 485系A03編成 4034M  細呂木芦原温泉


△ 細呂木芦原温泉

 ホントに綺麗な夕陽というのは、ものの5分くらいである。17時を過ぎると太陽は急激に高度を落とし、逃げるように沈んで行く。オレンジ色に染まった地が、刻一刻とその表情を変えてゆき、無骨なアスファルトでさえ、華やかに着飾っているようだ。で、影の位置が掴めなくなる。

△ 485系A02編成 4038M  細呂木芦原温泉
 トホホだけど、まぁいいか。本当に影の動きが早かった。以後気をつけよう。

 4038Mを撮影したら、車に戻ってダッシュスタート! 実は下り貨物があって、最悪雷鳥と被ることも。しかしまだ来ていない。例の雪山バックで撮影したい……と思いきや、踏切が鳴り始める! なんだか前日の4017Mと同じようなことをしでかしました。

△ 細呂木芦原温泉

△ 細呂木芦原温泉

△ 細呂木芦原温泉
 変なもので締めちゃったなぁ……。


 この後、微妙に車の返却時刻が危ういことに気付き、加賀ICから美川ICまで高速を利用。無事、10分前に返却できました。
 お土産に塩ロールを買い、夕食の駅弁を買い、7番線到着となってしまった雷鳥37号を眺めながら、ホームのベンチで夕飯。食べ終わったら419や415、475等をバルブ撮影。バルブ中はなぜか急行色との遭遇率が高い……。

△ 金沢駅


 21時50分頃になり、北陸が入線。撮影は後回しで、まずは荷物を置き、シャワーカード購入のため車掌室へダッシュ。旅の疲れを癒すため、シャワー利用は譲れない。……が、そこには長蛇の列が。オイオイ。しかし問題なくシャワーカードは購入……できたものの、タオルセットが売り切れだとか。なんでやねん。何かしらに北陸のロゴが入ってるなら分かるけど、試供品的なシャンプー類と、681がプリントされたタオルだけなんだけどなぁ。一応タオルは持っていたので問題ありませんがね。

 撮影再開。先頭は何回も撮っているので、今回は後ろから。

△ 金沢駅

△ 金沢駅
 頼むから携帯で撮ったらすぐどいてくれ……。再びカメラを向けないでくれ(泣)


 もう何回目になるだろう。22時18分、北陸は定刻通りに出発。荷物を整理し、津幡を出たあたりでシャワー室へ。試供品のシャンプーを持参していたオレは勝ち組(笑)
 2つあるシャワー室は両方使用中ながら、待ち客はゼロ。これは意外でした。まさか記念のためだけにシャワーカード買った奴とかいないよね?
 オレの寝台は上段。で、手荷物はバッグとゲバに、脚立まで。全て荷物スペースに置くことは不可能! だからソロがいいのに……。本当に場所が無く、仕方なしに脚立はベッドに寝かせ、オレは足を曲げて小さくなって就寝………って今思ってみると、脚立を立ててその下に寝ればよかったと後悔……。心地よい揺れで、すぐに眠りに誘われました。




 2月24日。大宮到着放送で目が覚め、浴衣をたたみ、布団をたたみ、旅を終える準備にかかる。上段なので沿線の撮影者の有無は分からなかったが、大宮は混んでいただろうな。尾久を通過し、もう聞きなれたチャイムに続く言葉は、間もなく終点であることを告げる車掌の声。青い体をゆっくりと曲げ、一筋の青い竜は、上野駅14番線に静かに滑り込んだ。線路はここまでだ。
 青い車体は、富士ぶさの14系とは違い、とても綺麗だった。とても廃止まで一月を切った車両には見えない。最後の輝き、とでも言えるような、本当に廃止が信じられない美しさだ。長岡までのカマは分からないが、長岡からここまで先導してきたのは、EF64-1030。……あれ? こいつ、21日に越後湯沢で見たぞ。何か牽引しに行ったのかな。


 何はともあれ、無事に遠征を終えたこと、そしてこの時期珍しく晴れ間を見せてくれた北陸地方に感謝して、この旅行記を締めたいと思う。最終日の上り北陸、実はツアーが入っているので、それのキャンセル狙いで、また窓口前で空席照会やろうかな?(笑)

 そうそう、動画はこちらから→http://www.geocities.jp/miyakazepage/mp6.html