悪天候のいすみ鉄道 - みやかぜページ別館

・レンタカーを借りれなかった
・高速バスがことごとく運休
・天気予報が外れて雪が舞う
・強風

　これだけ悪条件が重なっても、キハ52が走る時間は限られている。久々に電車で撮影に行ってきました。

　電車だと非常に効率が悪い。キハの長時間停車の恩恵に預かれず、追っかけができないし、寒空の中、通過までひたすら耐えなければならない。
　撮影列車を絞って気合入れようにも、この悪天候ではどうにもならない。

　と言う訳で、急行1号に乗車してみることにした。
　わかしお1号に乗り込み、大原着は8時半過ぎ。すぐさまいすみ鉄道の窓口へ向かい、急行券の列でしばし待機。
　乗ってきた特急をガン無視して列へと急いだおかげで、僅か12席の急行指定券をゲット。あとは発車まで待つのみ。

　9時20分、汽笛一斉、キハ５２＋２８の急行列車は、時刻通りに大原を発車。この日は伊勢海老特急の運転日らしく、28のボックス席にはテーブルが備え付けられていた。

　検札と同時に、この時期限定、朝食サービスを頂戴した。今回は急行OKの一日乗車券（1,800円）を利用しているため、この無料サービスはお得だ。その内容は、
　・入れたバッグがバターの香りになるほどしなやかなクロワッサン
　・食べるとアメリカとの貿易が良くなるらしいスナック菓子
　・どこからに輸入か分からないがまずまず美味しかったジュース
　・寒い寒い待機時間には嬉しいビスケット菓子とキットカット
　・3パック100円以下と記憶しているゼリー
　・ミルキーだと思って頬張ったら期待外れだったチーズ
　と言うもので、こう書いてはいるが、内容は満足だった。こういったサービスには非常に好感が持てる。

　これから向かうのは、小谷松の撮影ポイント。
　この急行1号は“移動と食事”が目的なので、長時間停車しても寒いので外には出ず、キハ28の車内を心行くまで楽しんだ。
　考えてみると、キハ58系列に乗ったのは、確か、10年以上前のトロＱ列車以来だ。

　小谷松着。
　風が酷く、雪も舞う。キハが帰ってくるのは1時間後。……しばらく一応風を防げる駅で待機し、30分後くらいに撮影地へと向かった。

　雪は残っているが、残念な残り具合。だが文句は言ってられない。安定しない露出が続く中、踏切が鳴り始める。

　はじめ、あまりにも寒いのでこれを撮ったら撤収しようかと思っていたが、被写体が良いとやる気も起こる。やっぱりもうしばらく待機。

　急行2号に乗り込み、次に向かうは国吉。乗るのはキハ52。キハ52も、10年以上前に大糸線で乗った以来だ。記憶が正しければ、その時と同じ車両だ。
　お隣キハ28では、豪華な伊勢海老料理が振る舞われていた。

　国吉で降りると、雪が強くなる。そのうち風が強くなり、雪は雨に変わる。最悪のパターンだ。
　昼食の補給で立ち寄ったコンビニを出る頃には、れいの踏切に向かう気力は完全に削がれ、目の前の、一応背景は樹木になるポイントに落ち着いた……が、風と寒さで痛恨のミス。ただでさえ少ないチャンスが……。

　さっさと駅に戻って暖をとる。
　国吉駅はムーミン谷の中心駅とやらで、ムーミンキャラクターのぬいぐるみが、待合室に飾られていた。
　……そのうち１つが動いた。……ネコだった。ピンクの首輪をした黒猫で、クロちゃんと呼ばれているようだ。これだけざわざわしているのに大人しい。

　ムーミンの歌を、皆さんは知っているだろうか？

　ねぇムーミン♪
　こっち向〜いて♪
　はずかしがら〜な〜いで〜♪
　もじもじしな〜い〜で〜♪

　まさしくこの歌詞が頭に浮かんだ。

　西大原に着くころには、露出はガタ落ち、風はますます強まり、自分みたいなコンデジ愛用者にしてみれば、撮影しても失敗のリスクが高まるレベル。
　しかし、せっかく早起きして5千円以上かけて来た手前、そうやすやすと諦める訳にはいかない。幸い雨は弱まり、傘を差さなくても良いレベルだ。かつ、風向きの関係で、レンズに水滴が付くことも無さそうだ。
　どうせ光線なんて関係ない。ちょっと趣向を変えて、インカーブで構えることにした。